下総中山駅は、千葉県船橋市本中山に位置する、JR総武線各駅停車の駅です。
不動産売却を考えている方にとって、周辺地域の不動産の「需要」「価格」「変動要因」は重要なポイントでしょう。
今回は、下総中山駅周辺の不動産売却に役に立つ情報を提供します。
(下総中山駅周辺の「周辺」を「最寄り駅として下総中山駅を利用している人が住む範囲」と定義します。)
目次
データでみる周辺地域の「需要」と「価格」
まずは、下総中山駅周辺地域の不動産の「需要」と「価格」を確認しましょう。
「需要」を見るために「乗客数」を、「価格」を見るために「公示地価」を、データで見ていきます。
下総中山駅の乗車人数
下総中山駅周辺の不動産の「需要」はどうなっているのでしょうか。
電車の乗客数は需要測定に非常に役立つ指標です。
乗客数が増加していればそれだけ周辺地域に住む人が増えていて、不動産の需要も高まっていると考えられます。
そして不動産の需要が高まっているならば、今が所有する不動産を売却するチャンスかもしれません。
下総中山駅の乗降客数は増加しているのでしょうか。5年間のデータを見てみましょう。
2014年が22,389人、2018年が24,116人なので、4年間で約1,700人増加していることがわかります。
人口が増加しているため下総中山駅周辺の不動産の需要は高まっていると言えるでしょう。
下総中山駅周辺の公示地価推移
下総中山駅周辺の不動産の「価格」はどうなっているのでしょうか。
公示地価を確認しましょう。
公示地価とは、国が専門家に依頼して全国の地点を算定している不動産価格のことで、不動産取引の際などに価格の指標として活用されています。購入時よりも公示地価が上昇していれば、その土地は需要が高まっており、高く売れやすいということを示しています。
以下のグラフが下総中山駅(船橋市本中山3-7-19-7)の4年間の公示地価の推移を示しています。
下総中山駅の公示地価は、2017年が約241,000円/m2であり、2021年が約267,000円/m2です。4年間でおよそ26,000円/m2増加しています。
また、2017年から2021年にかけて継続的に上昇していることがグラフから読み取れます。
公示地価が上昇しているので、周辺地域の土地の需要が高まっており、高く売れやすいということがわかります。
データから読み取れること
乗客数の増加・公示地価の上昇の2点から、下総中山駅周辺の不動産の需要が高まっていて、売却価格も上昇していると言えるでしょう。
一方で、2020年から2021年にかけて、公示地価の上昇が緩やかになっていることもグラフから読み取れます。
この点を考慮すると、今が高値で不動産を売却する好機かもしれません。
下総中山駅の不動産価格の増加要因
下総中山駅周辺の不動産の需要・価格の「変動要因」として、住環境、市況について紹介します。
まずは不動産価格の増加要因を見ていきましょう。
人口の増加
「船橋市の地区別ポテンシャル調査報告書」によると、船橋市の西部1地区(下総中山を含む)の人口は、平成12年が48,408人、平成17年が53,100人です。
5年間で4,692人も増加しています。
(「船橋市の地区別ポテンシャル調査報告書」)
https://www.city.funabashi.lg.jp/shisei/keikaku/001/p002021_d/fil/21_chikupote.pdf
人口の増加率は約110%。
この数値が地域の人気を物語っています。
また、すでに述べたように乗客数が年々増加しています。
下総中山駅は4年間で乗客数が約1,700人増加しています。
この増加傾向が急激に減少に転じるということは考えにくいでしょう。
人口・乗客数の増加傾向は、不動産価格の増加要因と言えます。
一人暮らしに人気
また、「船橋市の地区別ポテンシャル調査報告書」によると、船橋市の西部1地区(下総中山を含む)では、一般世帯総数に対して世帯人員1人の構成比が43%になっています。
船橋市全体の世帯人員1人の割合は30%ですので、一人暮らしが非常に多いことがわかります。
単身世帯に人気があると必要な部屋数が必然的に多くなります。
現在、日本全国で未婚者が増えていて、婚姻率は1970年代前半と比べると半分の水準となっています。
( 平成30年版 少子化社会対策白書)
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2018/30webhonpen/html/b1_s1-1-3.html
今後も婚姻率が低下し続けるならば、下総中山駅が一人暮らしに人気の街という事実は不動産価格の増加要因といえるでしょう。
下総中山駅の不動産価格の減少要因
次に不動産価格の減少要因を見ていきましょう。
近隣エリアの魅力の上昇
下総中山駅近隣の駅で開発が進んでいます。
例えば、下総中山駅と同じ総武線の津田沼駅では津田沼 ザ・タワーという総武線沿線最大級の免震タワーマンションが誕生しました。
津田沼駅で巨大なタワーマンションを見て驚いた方も多いでしょう。
また、船橋駅では「船橋駅南口再開発事業全体構想見直し」が始まり、急速に街並みが改善されています。
(船橋駅南口再開発事業全体構想 概要版)
https://www.city.funabashi.lg.jp/machi/kaihatsu/003/p010187_d/fil/gaiyouban.pdf
近隣エリアの発展により、相対的に下総中山駅が魅力を下げてしまう可能性があります。
ベッドタウンとしての価値低下
下総中山駅にはJR総武線が通っています。
この路線は千葉駅から東京の三鷹駅まで走っているので、一本で千葉にも東京にも出ることができます。
乗り換えをせずに行くことができる駅は、錦糸町駅、秋葉原駅、代々木駅、さらには新宿駅などオフィス街のある街が多いです。
この利便性から下総中山駅は東京で働くサラリーマンのベッドタウンとして好んで利用されてきました。
しかし、新型コロナウィルスにより新しい生活様式が導入され、リモートワークを取り入れる企業が急増しました。
3月31日に国土交通省から発表されたテレワーク人口実態調査によると、新型コロナウイルス感染防止策として2~3月上旬に、勤務先から感染症対策の一環としてテレワーク(在宅勤務)を実施するよう指示があった人の割合は、できるだけ実施するよう推奨された人と合わせて19.1%であった。
ベッドタウンとしての価値は東京への通勤のしやすさを前提としています。
リモートワークで通勤の頻度が下がると、それだけベッドタウンとしての下総中山駅の魅力も下がると言えるでしょう。
下総中山駅周辺の不動産価格の変動要因を見てきました。
不動産の需要は増加しているのが確認できましたが、今後世間の情勢がどう変化するか完全に予想することは難しいです。
不動産売却を考えている方は、一度査定を通して現状を確認してみてはいかがでしょうか。